
先生、前回RAMの中にもいくつか種類があると聞きました。

そうだね。
RAMは、その性能によってDRAMとSRAMに分かれているんだ!

今回はそんなDRAMとSRAMについて教えていくね。
ちなみに、RAMとROMの違いは下にあるから、合わせて読んでみてね!
DRAM

まず紹介するのは、RAMの中でも大容量なDRAMについてです。
DRAMには、次のような特徴があります。
特徴1:SRAMより大容量かつ安価!しかし低速…
特徴2:コンデンサに電気を流すことで[0]か[1]を表現している。
特徴3:定期的にアクセスするリフレッシュ動作が必要。
特徴4:主記憶で使われている。
特徴1:SRAMより大容量かつ安価!しかし低速…
まずDRAMのスペックについてです。
DRAMは、後に書くSRAMに比べて大容量かつ安価になっています。
しかし引き換えに、速度自体は低速になっています。
図にすると以下のようになっています。

特に、速度と容量、何に使われているかはよく出題されるので覚えておいてくださいね。
DRAM … SRAMに比べて速度は低速だが、大容量で安価である。
特徴2:コンデンサに電気を流すことで[0]か[1]かを表現している。
DRAMの一番の特徴は、その記憶方法です。
DRAMはRAMの一種なので、電源が切れるとデータが消えてしまうという揮発性の特徴を持っています。
具体的にDRAMでは、コンデンサという装置に電気の負荷を与えることで、データを記憶しています。
しかしこのコンデンサ、放っておくだけでも電気が逃げてしまうんですね。
そこでDRAMでは、データが消えてしまわないように、定期的にリフレッシュという動作を行っています。
詳しくはこの後の特徴3でお話ししますね。
DRAM … コンデンサに電気を流す形式で記憶している。
特徴3:定期的にアクセスするリフレッシュ動作が必要
前述した通り、DRAMはコンデンサに電気を流すことでデータを記憶しています。
しかしこのコンデンサ、放っておくだけで電気が逃げてしまいます。
そのためDRAMでは、意図的に電気を流すことで、電気が逃げてデータが消えてしまうということを防いでいるのです。
この、意図的に電気を流す作業のことをリフレッシュと呼びます。
実際の試験では、DRAMとSRAMの特徴をよく聞かれます。
そのため、DRAMはコンデンサを使って記憶し、定期的にリフレッシュ動作を行う必要があることを覚えておいてください。
DRAM … 電気を逃さないために、定期的にリフレッシュ動作を行っている。
特徴4:主記憶で使われている
最後に、DRAMはどこで使われているかについてお話しします。
DRAMは、パソコンの中の主記憶という装置で使われています。
この主記憶は、パソコンが処理を実行する上で必ず使う部分です。
主記憶の役割についてはこちらで解説していますので、是非合わせて読んでみてください!
DRAM … 主記憶で使われている。
SRAM

RAMのもう一つの種類は、SRAMです。SRAMには次のような特徴があります。
特徴1:フリップフロップ回路を用いている。
特徴2:リフレッシュ動作が不要
特徴3:DRAMより小型で高価
特徴4:キャッシュメモリに用いられている
特徴1:フリップフロップ回路を用いられている

DRAMはコンデンサに電気を流して記憶していましたが、SRAMはフリップフロップ回路という複雑な構造で記憶しています。
上の画像がフリップフロップ回路なのですが…なんかよくわかりませんよね(汗)
とりあえず今はしくみよりも、この複雑な構造のおかげでSRAMはコンデンサを使わなくても良くなったんだなということを覚えておいてください。
特徴2:リフレッシュ動作が不要
前述した通り、SRAMはフリップフロップ回路のおかげで、コンデンサを用いなくてもよくなりました。
したがって、コンデンサが無くなったので、リフレッシュ動作も要らなくなったのです。
リフレッシュ動作は意図的にコンデンサに電気を流すことでしたが、それが不要になったことで低消費電力が実現できます。
また、リフレッシュ動作がなくなったことでとても静かに動くことも特徴です。
特徴3:DRAMより小型で高価
SRAMはコンデンサが要らなくなったため、DRAMに比べて小型になっています。
しかし、引き換えに高価となっています。
まあ…大体高性能なものって小さくて高いですよね。そんなイメージで覚えてください。
特徴4:処理速度が速くキャッシュメモリに用いられている
キャッシュメモリとは、1回使ったデータを持っておくことで2回目以降使う時間を短縮する装置です。
そのため、時間短縮のためにも早い処理速度が必要です。
ここでSRAMは、DRAMに比べて処理速度が速いという特徴があります。
そのため、キャッシュメモリにはSRAMが使われています。
キャッシュメモリの詳しい説明はこちらでしていますので、合わせて読んでみてくださいね。
SRAM … フリップフロップ回路を用いて記憶している。
コンデンサが要らないので静かさと低消費電力を実現している。
処理速度が速く、キャッシュメモリに使われている。
まとめ

同じRAMの中でも、速度や容量に違いがあるんですね!

そうなんだ。そしてそれによって使われている場所も違うから、
それぞれの装置の特徴と合わせて覚えておいてね。
DRAM … 低速ですが、SRAMより大容量かつ安価です。
コンデンサに電気を流して記憶しており、定期的にリフレッシュ動作が必要です。
用途としては、主記憶で使われています。
SRAM … 高速ですが、DRAMより高価です。
フリップフロップ回路を用いて記憶していて、コンデンサが要らないので静かさと
低消費電力を実現しています。
用途としては、キャッシュメモリに使われています。

練習問題
問題1
DRAMの特徴はどれか。
(出典:令和元年度 秋学期 午前 問20)
ア、書込み及び消去を一括又はブロック単位で行う。
イ、データを保持するためのリフレッシュ操作又はアクセス操作が不要である。
ウ、電源が遮断された状態でも,記憶した情報を保持することができる。
エ、メモリセル構造が単純なので高集積化することができ,ビット単価を安くできる。
答)エ DRAMは構造が単純なので、大容量かつ安価を達成しています。
問題2
DRAMの説明として,適切なものはどれか。
(出典:平成30年度 秋学期 午前 問21)
ア、1バイト単位でデータの消去及び書込みが可能な不揮発性のメモリであり,電源遮断時もデータ保持が必要な用途に用いられる。
イ、不揮発性のメモリでNAND型又はNOR型があり,SSDに用いられる。
ウ、メモリセルはフリップフロップで構成され,キャッシュメモリに用いられる。
エ、リフレッシュ動作が必要なメモリであり,PCの主記憶として用いられる。
答)エ DRAMはコンデンサで記憶しているので、リフレッシュ動作が必要で、主記憶として使われます。
問題3
DRAMのリフレッシュ動作の説明として,適切なものはどれか。
(出典:平成24年度 春学期 午前 問12)
ア、一定時間ごとに内容を外部記憶装置に書き込む。
イ、システムの電源投入時に,全領域をOで初期化する。
ウ、データを保持するために,一定時間ごとにアクセスする。
エ、内容を更新するときに,データを一旦消去する。
答)ウ DRAMは、電気を失うとデータが消えてしまうので、一定時間ごとにアクセスをすることで電気を流しています。