クラスタシステム

「クラスタシステム」とは、複数のコンピューターがまとまって、1つのコンピューターのようにふるまうシステムのことです。
イメージでいうと、小学校の時に習った「スイミー」みたいですね。
覚えていますか?
仲間とまとまって、1匹の大きな魚に見せることで、敵から身を守っていたお話です。
クラスタシステムも同様に、複数のコンピューターがまとまって、1つのコンピューターのようにふるまっています。
さて、スイミーは敵から身を守るために皆でまとまっていましたが、クラスタシステムはなぜ複数のコンピューターでまとまっているのでしょうか。
その理由は、以下の2つです。
このような、可用性を高めるシステム構成を「HAクラスタ」と言います。
詳しく説明していきますね。
HAクラスタの種類

先ほど、HAクラスタには
の2種類があると述べました。
1つ目を「負荷分散型クラスタ」、2つ目を「フェールオーバ型クラスタ」と呼びます。
①負荷分散型クラスタ
「負荷分散型クラスタ」は、「1つ1つのコンピューターの負荷を減らす」ためにまとまっているクラスタです。
具体的には、「ロードバランサ」という装置がアクセスを振り分けることで、負荷を軽減しています。


これにより、負荷によって故障してしまう確率を軽減することができます。
②フェールオーバー型クラスタ
「フェールオーバー型クラスタ」は、1つのコンピューターが壊れても、他のコンピューターがカバーするためにまとまっているクラスタです。
具体的には、デュプレックスシステムのように、現在アクティブなコンピューターの裏に
別のコンピューターもスタンバイさせておき、故障したときに切り替える方式です。

これにより、もしコンピューターが故障したとしても、システムとしては停止せずに稼働し続けることができます。
まとめ
クラスタシステムには、1つ1つのコンピューターの負荷を減らすための「負荷分散型クラスタ」と、
1つが壊れても、他のコンピューターがカバーするという「フェールオーバー型クラスタ」があります。
これらのおかげでコンピューターが故障しづらくなったり、1つが故障してもシステム全体としては動き続けることができます。

なるほど、これで可用率が上がるわけなんですね!

そうなんだ!
おかげでユーザーがいつでも安心して利用できるようになるんだよ。
練習問題
練習問題1
問)ロードバランサを使用した負荷分散クラスタ構成と比較した場合の,
ホットスタンバイ形式によるHA(High Availability)クラスタ構成の特徴はどれか。
ア、稼働している複数のサーバ間で処理の整合性を取らなければならないので,
データベースを共有する必要がある。
イ、障害が発生すると稼働中の他のサーバに処理を分散させるので,
稼働中のサーバの負荷が高くなり,スループットが低下する。
ウ、処理を均等にサーバに分散できるので,サーバマシンが有効に活用でき,
将来の処理量の増大に対して拡張性が確保できる。
エ、待機系サーバとして同一仕様のサーバが必要になるが,障害発生時には待機系サーバに処理を
引き継ぐので,障害が発生してもスループットを維持することができる。
答)エ
ホットスタンバイ形式とは、現用系の裏に待機系のコンピューターを準備しておくことです。
そのため、フェールオーバー型クラスタであるエが正解となります。