グリッドコンピューティング
グリッドコンピューティングとは
「グリッドコンピューティング」とは、ネットワークを通して大量のコンピューターで作業を分担することで、通常ではできない大規模な計算や、データの保存を可能にするシステムです。
このグリッドコンピューティングの特徴の一つが、使用しているのはそれぞれのコンピューターの空いている部分だという点です。
専用のコンピューターを少し用意するのではなく、空き容量を持っている多くのコンピューターと連携することで、大規模な処理を行っているんです。
イメージで覚える
グリッドコンピューティングは、アルバイトに例えるととても覚えやすいです。
先ほど、コンピューターの空いた容量を利用すると述べましたが、ここではタイミーなどを使用して、隙間時間にアルバイトをするイメージで考えてみましょう!
グリッドコンピューティングでは、正社員を雇うのではなく、数多くの空き時間がある人と連携することで、大規模な処理を行っています。
このイメージを持ったまま、次のメリット、デメリットを見てみましょう!
グリッドコンピューティングのメリット
グリッドコンピューティングのメリットは、大きく二つあります。
一つずつ見ていきますね。
メリット1:大量のデータを効率よく処理できる
グリッドコンピューティングの一番のメリットは、大量のデータを効率よく処理できることです。
グリッドコンピューティングでは、複雑なタスクを分割し、単純なタスクにします。
さらにそのタスクを大量のコンピューターに分割させることで、同時並行で、効率よく処理を進めることができます。
メリット2:コストを抑えられる
グリッドコンピューティングで使用するのは、既存のコンピューターの空き容量です。
そのため、新たにコンピューターを用意したり、スーパーコンピューターを作成する必要がないので、コストを抑えることができます。
まさに、正社員やスペシャリストを雇うよりは、時間のあるタイミーさんを数人雇う方が安いってことですね!
グリッドコンピューティングのデメリット
これほど便利なグリッドコンピューティングですが、実はデメリットもあります。
くわしく見ていきましょう!
デメリット1:単純な処理しかできない
グリッドコンピューティングでコンピューター同士をつないでいるネットワークは、とても低速で、低頻度でしか通信ができません。
そのため、何度もやり取りしなければならない複雑な処理などは向かないのです。
結果として、グリッドコンピューティングで行われるのはデータの保存や計算処理などの単純な処理が多くなっています。
タイミーさんでもそうですよね。
正社員より賃金が安い分、一日で教えられるくらいの簡単な作業しか行えません。
まとめ
「グリッドコンピューティング」は、ネットワークを通じて、容量やCPUに空きがあるコンピューターと大量に連携することで、大規模な処理を行うことができます。
コストが抑えられ、同時処理で効率よくタスクを終えられる一方、複雑な処理は行えないというデメリットもあります。
練習問題
練習問題1
問)グリッドコンピューティングの説明として,最も適切なものはどれか。
(基本情報技術者試験 平成20年度秋期 午前31問目から参照)
ア、コンピュータの存在を意識させることなく,人間がどこに移動しても利用できる。
イ、処理能力や記憶容量など,コンピュータがもつ計算資源を必要なときに必要なだけ購入する。
ウ、ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことによって処理能力の高いシステムを作り出す。
エ、複数のコンピュータを相互に接続して,一つのシステムとして利用し,システムの一部の
コンピュータで障害が発生した場合は,ほかのコンピュータに処理を肩代わりさせる。
答)ウ
グリッドコンピューティングは、ネットワークを通じて容量に空きがあるコンピューターと連携することで、大規模な処理を行うことができます。
練習問題2
問)グリッドコンピューティングを説明したものはどれか。
(応用情報技術者試験 平成18年度秋期 午前22問目から参照)
ア、OSを実行するプロセッサ,アプリケーションを実行するプロセッサというように,それぞれの役割が決定されている複数のプロセッサによって処理を分散する方式である。
イ、PCから大型コンピュータまで,ネットワーク上にある複数のプロセッサに処理を分散する方式である。
ウ、カーネルプロセスとユーザプロセスとの区別がなく,複数のプロセッサが基本的に同等なものとして振る舞うことができる処理方式である。
エ、プロセッサ上でスレッド(プログラムの実行単位)レベルの並列化を実現し,プロセッサの利用効率を高める方式である。
答)イ
グリッドコンピューティングは、ネットワークを通じて連携したコンピューターで、処理を分散する処理方式です。