先生~、固定区画方式って何ですか?
固定区画方式は、データの管理方法の1つだよ。
一緒に学んでみよう♪
他にも可変区画方式というものがあるんだけど、
それはこっちのページに書いたよ!是非一緒に読んでみてね!
固定区画方式
固定区画方式とは
固定区画方式は、主記憶の中の領域が一定の大きさのまま変えられない方式です。
固定区画方式には、単一区画方式と多重区画方式の2種類があります。
単一区画方式
単一区画方式は、主記憶の中が一つの部屋しかない方式です。
というより、主記憶全体で一つの部屋ということですね。
この部屋には、1つのプログラムしか入れることができず、余った領域は全部無駄になってしまいます。
図で表すと以下のようになります。
へぇ~、
1つのプログラムしか入れられないんですね。
そうなんだ。
だから、プログラムも一つずつしか実行できないんだよ。
多重区画方式
多重区画方式は、主記憶の中をあらかじめ固定の大きさに区切っておく方式です。
このように、例えば100MBのメモリを、あらかじめ10MB、20MB、30MB、40MBに分けておくのです。
この仕切りは動かすことができず、仕切りを増やすこともできません。
へぇ~、
あらかじめ大きさが決められてるなんて、机の引き出しみたいですね!
良い例えだね。
これによっていいこともあれば不便なこともあるんだよ!
多重区画方式のメリット
多重区画方式のメリットは、データを探すのが速く一定であるという点です。
例えば、道の広さも角度もばらばらな町よりも、碁盤の目になっている街のほうが、目的の家が探しやすいですよね。
同様に、メモリの中がしっかり分かれている方がデータを探すのが速いのです。
多重区画方式のデメリット
多重区画方式のデメリットは2つあります。
デメリット1:部屋のサイズより大きいデータは入れられない
1つ目のデメリットは、部屋のサイズよりも大きいデータは入れられないという点です。
タンスを思い出してください。
どんなに大きいタンスでも、
引き出しのサイズより大きいものは入れられませんよね。
そんなイメージです。
主記憶の中でも同じことが発生します。
例えば先ほどのメモリの場合、一番大きいサイズの部屋でも40MBです。
したがって、主記憶自体は100MBなのに、50MBのプログラムを入れられないということになります。
デメリット2:どんなに小さいデータでも、1部屋使ってしまう点
2つ目のデメリットは、どんなに小さいデータでも、1部屋使ってしまう点です。
固定区画方式には、1つの部屋に2つ以上のプログラムは入れられないという特徴があります。
必ず、1つの部屋には1つのプログラムしか入りません。
したがって、小さいプログラムを入れた場合、残りの領域が無駄になってしまうんです。
まとめ
へぇ~、
固定区画方式って、結構容量の無駄になる場合も多いんですね。
それに、部屋の大きさを超えると、
主記憶全体では空きがあるのに入れられないのも、
少しもったいないかも…
そうだね。
そういうときのために、可変区画方式という別の方式もあるんだ。
是非一緒に学んでみてね!
練習問題
問題1
様々なサイズのメモリ資源を使用するリアルタイムシステムのメモリプール管理において,
可変長方式と比べた場合の固定長方式の特徴として,適切なものはどれか。
(出典:平成24年度 春学期 午前 問23)
ア、メモリ効率が良く,獲得及び返却の処理速度は遅く一定である。
イ、メモリ効率が良く,獲得及び返却の処理速度は遅く不定である。
ウ、メモリ効率が悪く,獲得及び返却の処理速度は速く一定である。
エ、メモリ効率が悪く,獲得及び返却の処理速度は速く不定である。
答) ウ 固定区画方式は、無駄になる領域が多く、効率は悪いです。しかし、大きさが決まっているので、処理速度は速く、一定です。