デュアルシステム
デュアルシステムとは
デュアルシステムとは、同じ処理をするシステムを二つ用意し、同じ処理を行わせるシステムのことです。
デュアルシステムでは、それぞれの装置が別々に処理を行い、処理が終わるとお互いの処理結果を照合します。
そしてもし一致したらその結果を使うというシステムです。

もし一方が壊れていたり、処理結果が違うことがあれば、おかしな処理をする方を切り離して、もう一方のみで処理を行います。
このように、基本は2つのシステムが処理を行っていること、また、一方が壊れてしまってももう一方が処理を行えるため、システムを止めずにいられるという点で信頼性が高いシステムとなっています。
デュアルシステムのメリット
デュアルシステムのメリットは、信頼性と可用性にあります。
信頼性が高いのは、二つのシステムで結果を照合しながら処理を行うので、結果が誤っていることが少ないためです。
可用性は、もしシステムが壊れても、修理しながらもう一方の装置で処理を行えるため、システム全体を止めなくて済むためです。
稼働率が高いと言い換えてもいいかもしれませんね。

デュアルシステムのデメリット
デュアルシステムは、2台のシステムが同時に働いています。
したがってそのシステムを用意するのにまずコストがかかります。
また、消費電力も単純計算で2倍かかります。
この、コストや電気消費量が多いということが、デュアルシステムのデメリットですね。
練習問題
問題1
冗長構成におけるデュアルシステムの説明として,適切なものはどれか。
(出典:平成31年度 春学期 午前 問13)
ア、2系統のシステムで並列処理をすることによって性能を上げる方式である。
イ、2系統のシステムの負荷が均等になるように,処理を分散する方式である。
ウ、現用系と待機系の2系統のシステムで構成され,現用系に障害が生じたときに,待機系が処理を受け継ぐ方式である。
エ、一つの処理を2系統のシステムで独立に行い,結果を照合する方式である。
答)エ デュアルシステムは、二つのシステムが同じ処理を独立して行い、最後に結果を照合するシステムです。
問題2
デュアルシステムの説明として,最も適切なものはどれか。
(出典:平成24年度 秋学期 午前 問14)
ア、同じ処理を行うシステムを二重に用意し,処理結果を照合することで処理の正しさを確認する。どちらかのシステムに障害が発生した場合は,縮退運転によって処理を継続する。
イ、オンライン処理を行う現用系と,バッチ処理などを行いながら待機させる待機系を用意し,現用系に障害が発生した場合は待機系に切り替え,オンライン処理を続行する。
ウ、待機系に現用系のオンライン処理プログラムをロードして待機させておき,現用系に障害が発生した場合は,即時に待機系に切り替えて処理を続行する。
エ、プロセッサ,メモリ,チャネル,電源系などを二重に用意しておき,それぞれの装置で片方に障害が発生した場合でも,処理を継続する。
答)ア デュアルシステムは、二つのシステムが同じ処理を独立して行い、最後に結果を照合するシステムです。もし一方にエラーが出たら、そちらを切り離し、もう一方だけでシステムは稼働し続けます。